すべてが溶け合うとき。

「物質社会から解き放たれたい。そうしたら本当の幸せになれるのに。」

私がそういうと、母は、

「それって、行きつくのは一つの答えになっちゃうと思うけど・・・。」

と、遠慮がちに「し」を示唆した。

私はなんだか不謹慎なことを言ったような気分になり、ちょっとあわてて、

「そんなことないよ。気持ちの持ちよう！」

と、冗談めかして返した。




ねぇ、ここのところ、時間が経つのがとても速いんだ。

びゅん、びゅん、びゅん。と、あっという間。

そして、そうやって「し」に近づいていることをほくそ笑む気持ちになっている自分に気づき、少し驚く。



すべてが溶け合うときが来るのを、私は心ひそかに祈っているみたい。

愛のままに、魂のままに、在る、ことができるときが。